[pp.537-542]
吉野 敏行 (人間環境大学)
要旨:
廃PETボトルの市場を分析した結果,部分的有価市場を形成しているものの,分別収集過程における地方財政の多額な支出に支えられた輸出主導型の価格体系となっている。このような価格体系のもとで,廃PETボトルを特定事業者の再商品化義務から除外することは,廃PETボトルのアジア輸出を拡大し,国内再生処理業者の衰退をもたらす。2006 年の容器包装リサイクル法改正(法10 条の2)は,市町村の指定法人への引渡量を増加させる一定の効果が期待できる。しかし,市町村の独自処理を解消するには,特定事業者の再商品化委託単価に,輸出単価と再商品化事業者の落札単価との差額を課すことが効果的である。
キーワード:
廃PETボトル,市場分析,容器包装リサイクル法,アジア輸出