[pp.519-524]
須永 洋平,原科 幸彦 (東京工業大学)
要旨:
公共事業等の計画策定において,市民参加による合意形成の導入が求められている。実際に合意形成を実施するためには,合意に至るまでのプロセス設計が必要である。そこで本研究では,長野県中信地区・廃棄物処理施設検討委員会を事例として,プロセスモデルを用いて実際に行われた合意形成プロセスの挙動を把握し,その特徴を明らかにした。その結果,プロセスは行き来をしながら全体ではモデルのように進むことが確認された。この行き来は,決定事項が多い計画の場合に増加すること,「合意の確認-解決策模索」の間で多いこと,委員発言に対応した結果として行き来が起こることが明らかとなった。
キーワード:
市民参加,合意形成,検討委員会,廃棄物処理計画,長野県中信地区