[pp.441-446]
島田 直明,田中 貴宏 (岩手県立大学,神戸大学)
要旨:
本研究ではGIS を利用した住民参加型のコミュニティ環境地図の事例を報告し,その成果と課題を整理することを目的とした。その結果コミュニティ環境地図は環境情報を視覚化し,参加者の間で共有するためのツールとして,また地域の環境に関するデータベースとして有用であることが理解できた。また本事例では住民でも入力が容易なように簡易GIS が作成された。そのため参加者がスムーズに入力することができ,技術提供によって技術的なハードルを下げることが有効であることを確認できた。今後の課題としてはGIS 普及活動や技術協力のための支援体制づくり,事例の蓄積・公開による周知活動といった社会側面を考える必要であろう。
キーワード:
地理情報システム,コミュニティ環境地図,住民参加