[pp.393-398]
松永 知仁,畔柳 昭雄 (日本大学)
要旨:
本研究は,親水公園のもつ微気候形成効果と線状配置の特性を活用することで,ヒートアイランド現象を緩和するCLP(Cool Linear Park)構想を提案するための基礎的調査である。そのため,水と緑のネットワーク化を進めている東京都江戸川区の親水公園を対象に水辺や緑地等の有する気象緩和効果の実測調査を行った。その結果,親水公園内では水面から近接する樹木等の植栽にかけて低温域を形成するとともに,高湿度の分布が確認できた。また,公園域外の街区では親水公園の風下において公園から約30mの範囲で,風上においても公園から約10mの範囲で効果が確認できた。これら親水公園周辺に形成される微気候形成効果を活かすことでCLP 構想の実現を目指す。
キーワード:
親水公園,CLP 構想,水辺環境,微気候効果