[pp.387-392]
白 迎玖,三上 岳彦 (東北公益文科大学,首都大学東京)
要旨:
本研究では,中国・上海において高密度自動観測システムを初めて構築し,長期間にわたって気象観測を実施して得られたデータに基づいて,上海における夏季の都市ヒートアイランド(UHI)の実態を解明することを目的とした。2005 年の観測結果によれば,上海においては,7月のUHI 強度の月平均値の最大値は約4.3°Cで,8 月のUHI 強度の月平均値の最大値は約3.4°Cであった。また,UHI 強度の時間変化,UHI 強度のピーク値の出現は風向と密接な関連があることも解明された。さらに,UHI 強度のピーク値は,20~22 時と0~3 時に現れると同時に,公園緑地のUHI 緩和効果も同一時間帯に最大になることが確認された。
キーワード:
上海,都市ヒートアイランド,気象観測,緩和効果