[pp.369-374]
寧 碧波,田 偉利,川上 洋司 (福井大学,中国・上海大学)
要旨:
本研究では中国西安市の近年整備された二つの街路空間の事例研究を通して,街路空間利用規制導入後の街路空間の活用形態とその形成経緯・要件などについて考察した。その結果,(1)街路整備により副次的に生み出された空間も含め,公共空間としての街路において,人々の多様かつ不可欠活動ニーズに基づいて多様な活用形態が現出している。(2)法的に違法でありながら,こうした活用形態が黙認されている背景には,利用者や地区住民,さらには末端の行政組織などが一体となった自主管理体制があり,それによって都市交通の整序化,衛生・環境保全,良好な景観形成への負の影響を軽減させている。
キーワード:
街路空間,活用形態,自主管理体制,利用者のニーズ,中国・西安