[pp.345-350]
高橋 進 (共栄大学)
要旨:
自然保護政策においては,「保護」や「保全」などさまざまな形態があり,その対象も「自然」から「生物多様性」まで幅広い。本研究は,自然保護政策に多大な影響を持つIUCN の総会決議の分析から自然保護用語の変遷を探り,自然保護概念の変化を検証しようとするものである。分析の結果は,「自然」の「保護」から「生態系」や「生物多様性」などの「保全」へ,さらには積極的に手を加える「回復」などへと変遷したことが判明した。また,資源については,植物の遺伝子資源が注目されるようになってきたことが明らかになった。
キーワード:
国際自然保護連合,自然保護政策,生物多様性,自然資源,遺伝子資源