[pp.333-338]
河本 薫,下田 吉之 (大阪大学,大阪ガス(株))
要旨:
スーパーコンピュータおよびクラスタコンピュータの電力消費量を実測調査し,これら大型コンピュータのエネルギー消費効率の定義について検討した。計測結果から,エアコンや自動車と異なり,大型コンピュータの電力消費量のうち効用(計算量)と比例する部分は小さい。さらに,大型コンピュータの設置台数はその性能に反比例することを考慮すれば,そのエネルギー消費効率は,省エネルギー促進という役割を担った規制指標として有効であるには,最大計算速度と平均消費電力の比率が適切な定義と考えた。なお,最大計算速度には実効値と理論値があるが,理論値を用いたエネルギー消費効率は実態を反映できない場合があり,実効値を使用すべきである。
キーワード:
エネルギー消費効率,電力消費量,スーパーコンピュータ,クラスタコンピュータ