[pp.219-224]
李 泰榮,小野 恵,川本 義海 (福井大学)
要旨:
本研究は,過疎農山村地域の住民意識に基づいて,生活環境に対する評価,定住意向,生活環境における重要課題の把握およびこれらの関連性分析により生活環境の改善方向を検討したものである。その結果,生活環境に対する評価では全体的に否定的な意見が多いことと定住意向が強いこと,そして生活環境改善の重要性が確認できた。これをもとに因果構造分析を行い,生活環境に対する満足度を高めることが定住意向の向上につながるといった関連性を明らかにした。以上より,地域住民が求めている生活環境の改善方向を検討し,公共交通環境を中心とした買い物環境や医療・福祉環境の改善方向を提示した。
キーワード:
過疎地域,住民意識,生活環境,定住意向,因果構造