[pp.213-218]
ポッゲンドルフ ロレンツ,小野 良平,下村 彰男 (東京大学)
要旨:
日本では自然崇拝にもとづく神道により, 多くの神社で「神木」がいまだに残されており, これらの木々は樹齢数百年のものが多い。しかし, その意味合いや樹木としての生態的要求に対する知識や認識は欠如していると考えられる。今後, これらの神木を保護していくための知見を得るために, 本研究では旧郷社の境内地内における神木の配置などの現在および過去の状態を把握し, その消失の要因と神木の文化的意義に関して考察を行なった。境内地内での配置などからは上位に位置づけられているものの, 神木は周辺環境の変化や生態学的知識の欠如による枯損などで次第に消失した。
キーワード:
神木,神社,樹種,配置,消失,保護