[pp.129-134]
山本 清龍 (東京大学)
要旨:
公園利用における期待阻害は,実際にその場所を訪問せずとも生じうる。そこで本研究では,検討の対象となっている地域を利用しない利用者をも含めて,自然公園利用者の期待を把握できるように調査設計し,(1)自然公園の利用者が持つ期待を類型区分すること,(2)属性,登山意向と期待および期待阻害の関係性について明らかにし,登山意向の規定因となる期待阻害を特定すること,の2点を目的とした。研究の結果,富士登山に対する期待を5つに類型区分し,特に野趣性・独居性の保持の期待については,利用者のうち過半数で否定的な登山意向を持ち,期待阻害が生じていることを明らかにした。
キーワード:
自然公園,利用者,富士山,期待