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Bespyatko Lyudmyla,井村 秀文 (名古屋大学)
要旨:
自然保護の新たなメカニズムとして,環境サービスに対する支払い(PES)が多くの国で導入されている。なかでも,コスタリカ政府が導入したPES は,国レベルで成功した最初の例として国際的に注目を集めている。他方,日本においては,多くの県で環境サービスの受益者に負担を求め森林保護・管理を行う森林税が導入されている。本稿では,日本におけるこの地方レベルの制度とコスタリカのPESの比較を行う。そのため,まず両国の森林の情況を比較し,両国におけるPES 制度の成立に影響を与えた要因を整理する。次に,PES 制度としての両者の特徴について比較考察する。
キーワード:
森林環境税,環境サービスに対する支払い,多面的機能,環境政策,自然保護