[pp.511-516]
朝野 賢司,美濃輪 智朗 ((独)産業技術総合研究所 )
要旨:
本研究の目的は,(1)バイオ燃料促進政策手段を5つに類型化・評価基準を設定した上で,(2)政策手段の中でも重要な役割を果たした税制優遇について,EU・ドイツを中心に評価することである。主要な結論としては,税制優遇は実施費用も少なく,導入は容易である。加えてエネルギー関連税による税収がバイオ燃料に還付されるため実質的に補助金であり,バイオ燃料生産者にとって,燃料生産量を増加させるインセンティブが働く。しかし,バイオ燃料の生産量増加にともない,深刻な税収減となるため,税制優遇からクォータ制度への移行が検討されている。
キーワード:
バイオ燃料,バイオ燃料促進政策手段,ドイツにおけるバイオディーゼル