[pp.475-480]
藤居 良夫 (信州大学)
要旨:
迷惑施設の建設計画においては,計画の立案を担当する行政と地域住民との間に対立が生じることがしばしば見受けられる。本研究では,長野市のごみ焼却施設を対象として,地理情報システム上で重み付き線形結合とさらに順序重み付き平均を含む多基準評価を用い,意思決定におけるリスクとトレードオフの程度を考慮して,客観的で合理的,科学的なごみ焼却施設の立地選定の方法を検討した。その結果,この多基準評価によるごみ焼却施設の立地選定方法は,制約条件と要因を適正に設定すれば,多様な利益集団同士の合意形成を図るための情報提供手段として有用であることなどがわかった。
キーワード:
ごみ焼却施設,立地選定,多基準評価