[pp.433-438]
阿部 宏史,新家 誠憲 (岡山大学)
要旨:
本研究では,1990年,1995年,2000年の地域産業連関表と産業廃棄物排出統計を用いて,産業廃棄物の排出構造を時系列で分析するとともに,今後の廃棄物発生抑制に向けた課題を検討した。廃棄物誘発量と環境効率を指標とする分析の結果,産業の中では,畜産農業,建設業,食料品の3部門が産業廃棄物排出に大きな影響を及ぼしており,今後はこれらの部門における廃棄物の発生抑制が必要であることを明らかにした。また,畜産農業と食料品に関しては,地方圏において誘発量増加と環境効率低下が見られること,建設業は,関東を除く地域において同程度の環境効率の低下が見られることなどを示した。
キーワード:
地域産業連関分析,産業廃棄物誘発構造,地域経済構造