[pp.409-414]
市田 行信,吉川 郷主,水野 啓,小林 愼太郎 (京都大学)
要旨:
本研究は,地域社会のソーシャルキャピタルを適切かつ簡便に測定するための尺度の開発を目的としたものである。データは京都府A市181の集落・町内に在住する4939人の協力者によるものである。世界銀行・イギリスの統計局・日本の内閣府の質問項目を参考に作成した6項目の質問から,他の研究とも比較が可能な尺度を構成した。信頼性の指標であるクロンバックのα係数は0.82であった。中山間地域等直接支払制度における集落協定の締結を被説明変数としたロジスティック回帰モデルにおいて,ISCI(変域1.67-5.54)はオッズ比3.21(p=0.01)を示し,高い基準関連妥当性を示した。
キーワード:
ソーシャルキャピタル,尺度,中山間地域等直接支払制度