[pp.351-356]
森 暁雄,岡安 智生,佐々木 雄大,ジャムサラン ウンダルマ,武内 和彦 (パシフィックコンサルタンツ(株),東京大学,モンゴル農業大学)
要旨:
衛星データによる在来の砂漠化モニタリングの多くは植生量の減少を砂漠化の進行と捉えているが,砂漠化が必ずしも植生量の減少を伴わないことが既往のフィールド研究により明らかとなっている。そこで本研究では,モンゴル乾燥・半乾燥地域を対象に,放牧傾度に沿った植生指数の空間パターン(NDVI空間パターン)を用いて砂漠化モニタリングを試みた。この手法により,草本域での突出型,潅木域での漸増型といった植生の成立する環境によって異なる砂漠化の傾向を捉えることができた。また,1991年と2004年のNDVIの空間パターンを比較することで2時期間における砂漠化の進行を捉えることができた。
キーワード:
砂漠化,過放牧,衛星リモートセンシング,放牧傾度,NDVI空間パターン