[pp.247-252]
高橋 正弘 ((財)地球環境戦略研究機関)
要旨:
マレーシア国サバ州において環境教育政策が策定される初期段階のプロセスを参与観察し,サバ州政府がなぜ環境教育政策の策定を開始したのかについて,その動機を探求する目的でケース・スタディを行った。参与観察は2005年9月に一週間,そして2006年1月より5月までの期間実施した。費用低減,負荷軽減,経験,国際社会,国内世論,地方から,パターン適合を用いてこのケースにふさわしい動機を析出したところ,州政府は国際社会と負荷軽減という動機を政策の策定開始時に持っていたこと,そして内発的な動機と他律的な動機とのバランスが当該政策の策定開始に寄与したことが明らかになった。
キーワード:
環境教育政策,ケース・スタディ,参与観察,動機