[pp.223-228]
松浦 健治郎,浦山 益郎 (三重大学)
要旨:
本研究は,道路管理者と住民が協力する街路樹管理の可能性を検討するために,食べられる実のなる樹木を植えた道路を取り上げ,住民参加の実態を調査した。果樹を植えた道路のある都道府県と市区町村へのアンケート調査から,その多くは市街地にあり,通常の街路樹管理に比べ消毒や施肥の回数が余分にかかり,摘果も果樹ゆえに必要となる作業であるが,日常的な維持管理や収穫に地縁組織や小中学校,商工団体などが関わっている道路があることがわかった。さらに,長野県飯田市のリンゴ並木と桜並木の事例比較によって,果樹を植えた街路樹の場合,維持管理だけでなく,花の時期や収穫など周年的な利用が可能なことを確認した。
キーワード:
街路樹,エディブル・ランドスケープ,住民参加,維持管理