[pp.141-146]
田中 孝 (函館工業高等専門学校)
要旨:
沿岸環境修復を目的とした炭素材混入モルタル被覆法と炭素繊維人工藻場の開発と適応性について検証するために海域実験を行った。炭素材は炭素繊維,コークス,竹炭そして鉄粉を用いている。フクロノリ・ワタモによる初期海藻被覆率が60%と最も高いのは炭素繊維被覆平板であり,その他の炭素材は30%以下,プレーンコンクリートは海藻着生が認められなかった。炭素繊維は汚泥吸着効果に優れ,炭素繊維人工藻の活性汚泥は海藻基盤として着生生物を増加させている。これらの特性を組み合わせることで沿岸環境改善が可能となる人工岩礁が開発可能である。
キーワード:
炭素繊維,モルタル被覆,海藻被覆率,人工岩礁