[pp.65-70]
岡馬 裕人,中根 周歩 (広島大学)
要旨:
広島県の山陽道沿いの10年生以下のアカマツ自然林内に調査地35箇所を設置し,1999年9月に全立木本数,マツノマダラカミキリ後食率を,同年10月~翌年6月に枯死本数,枯死木の後食率とマツノザイセンチュウ感染率を調査した。全調査本数の後食率の平均値は28.7%/yrで,全体の枯死率は0.31%/yrであった。枯死したマツのうち,後食されていたのは36.2%,またセンチュウが検出されたのは29.3%で,70%以上がセンチュウ感染以外の要因で枯死した可能性がある。後食されたマツのザイセンチュウ感染による枯死率と非後食マツの非感染枯死率とには統計的な有意差はなく,松枯れ要因の検討が求められた。
キーワード:
後食,若齢林,マツ枯死率,松枯れ要因,マツノザイセンチュウ