[pp.37-42]
村上 和仁,石井 俊夫,瀧 和夫,松島 眸 (千葉工業大学,日本大学)
要旨:
富栄養化抑制技術としての底泥処理に着目し,水中のT-N,T-P,Chl.aの抑制率が季節変遷に伴ってどのように影響されるかについて,野外設置型モデルエコシステムによる検討を行った。その結果,Chl.a抑制率は植物プランクトンの量と質により変動し,特に各季節における優占種が大きく影響すること,夏季は空中窒素固定能を有する藍藻(Anabaena)が存在し,T-Nを抑制してもChl.aの抑制ができない可能性があること,および実湖沼環境を模した本実験においてChl.aの抑制に最も効果的な処理および季節は,DAF処理とCRM処理のハイブリッド処理を晩夏~秋季に行うことが効果的であると考えられた。
キーワード:
富栄養化湖沼,底泥処理,季節変遷,Chl.a抑制率,モデルエコシステム