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鳴海 大典,吉田 篤正,鍋島 美奈子,竹林 英樹 (大阪府立大学,神戸大学)
要旨:
本論文では,典型的な住宅地内に位置する裸地面及び芝生面において,各種熟環境要素の現地観測調査を行った。夜間には芝生面で周辺住宅地と比較して0.3から0.5°C程度気温が低いクールスポットを形成し,その影響は半径約100mまで及んでいることが確認された。地表面温度に関しては,昼夜を通して裸地面と比較して芝生面の方が低い値を示した。但し,本対象地における芝生面においては,公園内の樹木や公園に隣接する高層建物の影響を受けて熱が拡散し難い状況となっていたことから,地域の熱環境を改善するためには地表面被覆への対策は当然のことながら,風通しにも充分注意する必要があることが示唆された。
キーワード:
ヒートアイランド現象,緩和対策,緑化,熱的快適性,地表面熱収支