[pp.259-264]
田村 孝浩,小池 修 (宮城大学,宮城県農業・園芸総合研究所)
要旨:
本報では,ほ場整備を契機に環境共生型水路の計画づくりを行った宮城県田尻町北小塩地区の取り組みを事例に,受益農家の参画に基づいた計画手法とその策定プロセスについて考察を行った。その結果,1)策定された計画が,既存生態系の保全と効率的な生産活動の推進を実践可能なかたちで具体化されていること,2)策定過程における受益者の主たる関心は,除草を中心とした維持管理作業の省力化にあることなどが明らかとなった。また,受益者の参画に基づく計画策定活動においては,3)多様な主体が参加したうえで検討課題を段階的に整理していくアプローチの有用性が示された。
キーワード:
ほ場整備,環境共生型水路,住民参加,計画プロセス