[pp.253-258]
金 潔華,原科 幸彦 (東京工業大学)
要旨:
近年,地域環境計画づくりの住民参加において,円卓会議方式が注目されている。しかし,会議の委員として参加できる住民の数は限定されており,それを補完する仕組みが必要である。このような視点から,本研究は評価枠組みを設定したうえで,三番瀬再生計画検討会議を事例に,住民参加における広範な住民意見を計画に反映させる仕組みについて検討を行った。その結果,本事例では,広範な参加と広い意見の取り入れがなされたが,それは,代表者による参加の欠点を補う仕組みが存在していたためと考えられる。特に,傍聴参加の仕組みは,委員以外の人々の広範な参加を可能にし,地域社会と円卓会議の双方向コミュニケーションを一定程度実現した,と判断される。
キーワード:
地域環境計画,住民参加,円卓会議,三番瀬