[pp.169-174]
王 蕊,下村 泰彦,加我 宏之,増田 昇 (大阪府立大学)
要旨:
本研究では,大阪市における市民に好まれる風景を対象に,緑の果たす役割をデザイン面から探った。その結果,緑の出現タイプでは両側型や中心型,床面型が典型例であること。緑は,ビスタやパースペクティブを形成し視線の誘導や奥行き感の創出,主景の遠近感の強調等の役割を果たすこと。風景の主景を形成する一方で,建造物の前景として外観のスケールを縮小させる調節的効果や足下を遮蔽したり,主景の正面性を強調すること。河川と建物とを調和させる効果や,一定の領域感を形成する効果,高木がフレームとなり主景を強調する効果があること。俯瞰景では,後方の市街地を眺望する際の引き空間としての効果を発揮すること等がわかった。
キーワード:
風景,緑景観,緑の効果,植栽形態,大阪市