[pp.123-126]
鈴木 弘孝 ((独)建築研究所 )
要旨:
本研究は,緩衝緑地整備の大半を担ってきた共同福利施設事業制度における財政支援措置により,地方財政負担の軽減がどのように図られたかについて,都市公園事業との比較により理論値と実績値の両面から定量的に検証し,今後緩衝緑地のストックを有効に継承し,都市の緑地の計画的な整備と保全に生かすための基礎的資料を得ることを目的とするものである。検討の結果,共同福利施設建設譲渡事業では,都市公園補助事業と比較して,事業費における地方公共団体の財政負担比率(地方負担率)は理論値,実績値とも1/2以下であり,建設段階における自己資金の比率(自己資金率)では実績値が1/5~1/3に軽減されており,理論値以上に軽減されていた。共同福利施設建設譲渡事業制度における財政支援措置は,地方財政負担の軽減に有効であったと考えられる。
キーワード:
緩衝緑地,共同福利施設建設譲渡事業,財政支援措置,地方負担