[pp.107-112]
臼井 敦史,鈴木 弘孝,藤崎 健一郎,田代 順孝 ((株)クレアテラ,(独)建築研究所,日本大学,千葉大学)
要旨:
本研究は,共同福利施設建設譲渡事業によって整備された緩衝緑地内の樹林形成に適用された「パターン植栽」の手法に着目し,植栽施工後約30年が経過した現況の樹林構造の実態と特性を分析し,緩衝緑地形成におけるパターン植栽手法の効果を検証することを目的とする。共同福利施設建設譲渡事業により整備された兵庫県姫路市の中島地区を対象として樹木の毎木調査を行った結果,植栽時における密度の違いによる現存樹木数の相違は見られず,100m2当り15~20本が残存していた。また,「パターン植栽」により,設計当初に想定されていた階層構造の樹林は形成されておらず,現況の樹林構造はパターンを構成する現存樹木の樹高と胸高直径階から三つのタイプに区分された。
キーワード:
共同福利施設建設譲渡事業,緩衝緑地,パターン植栽,樹林構造