[pp.101-106]
小木曽 裕 ((独)都市再生機構)
要旨:
昭和32年建設の武蔵野緑町団地建替の緑化に際し,既存樹木への思いを受けとめ,住民参加により緑の合意形成を行った。ここでは既存樹木の有効活用をグリーンバンク手法により保存,移植を行うとともに,建替工区内はもとより通常利用しない居住エリア(工区外エリア)の既存樹木も移植活用することができた。工区外移植を導入したことで,団地全体に分布した既存樹木の活用本数が33%増加し,段階的工事で1期の工区外移植の活用が有効であった。また,住民参加による合意形成をもとにした,期工区の細分化によって,既存樹木の保全緑化並びに緑化を推進されることが分かった。
キーワード:
既存樹木,住民参加,建替団地,緑化,保全手法