[pp.71-76]
黒岩 孝,佐藤 敬太郎,大内 宏友,松原 三人 (日本大学)
要旨:
都市計画を実施する際は,客観的かつ科学的な資料が必要となる。また,多面的かつ広域に渡る都市環境情報を迅速に収集する必要もある。計算機の利用により,市街地の構造やその形態の定量的解析あるいは時間的な経過により生じた市街地の変化領域の抽出などが可能となれば,上述の資料を迅速に整えることができる。本研究では,実在する市街地を空中から撮影した航空写真のフラクタル解析を行うことによって,市街地の構造を定量的に評価し,その形態分類が可能であることを示す。また,異なる時期に撮影した同一地域の航空写真のフラクタル解析を行うことによって,市街地の変化領域の抽出を簡易に行う手法を提案する。結果として本手法は都市計画における基礎資料を迅速に得るための有効な方法になり得ることを明らかにする。
キーワード:
市街地,フラクタルシーケンス,画像特徴距離,航空写真