[pp.501-506]
嶋 栄吉,堤 聰 (北里大学)
要旨:
近年,農村地域の環境問題が顕在化し特に河川水質の悪化が大きな問題となっている。農村地域での河川水質の汚濁は,農地からの化学肥料の溶脱と家畜ふん尿によって引き起こされている。そこで,本研究では青森県の駒込川の集水域を事例にして,流出水の水量と全窒素濃度などを測定し,土地利用と畜産が流出水中の水質濃度に及ぼす影響について検討した。その結果,全窒素濃度は畑草地面積率に比例して増加し,畑草地からの窒素の流出は放牧と降雨の影響が推察された。そして畑草地からの窒素の排出率は3%であった。
キーワード:
河川水質,水質汚染,土地利用,畜産