[pp.453-458]
大石卓史,嘉田良平,有路昌彦,山根史博 ((株)UFJ総合研究所,京都大学)
要旨:
本稿では,人獣共通感染症であるエキノコックス症対策として,近年有効性が確認されつつある感染源対策(キタキツネや犬の体内からのエキノコックスの駆虫)の実施によりもたらされるリスク削減便益を,CVM(Contingent Valuation Method:仮想評価法)を用いて検証した。北海道内の4市町を対象に二段階二肢方式のCV調査を実施し,パラメトリック推定法により感染源対策に対する支払意志額(WTP)を計測した結果,1世帯あたりの年間WTP は,中央値でおよそ2000~3000円,平均値でおよそ2500~4500円の範囲にあることがわかった。
キーワード:
エキノコックス症対策,CVM