[pp.445-448]
笹田勝寛,島田正文,荻野淳司,鎌田優希,河野英一 (日本大学,アゴラ造園(株))
要旨:
木質系廃棄物の循環利用は焼却ゴミの減量化などの観点からもその必要性は高まっている。粉砕処理後の木質チップの敷設が土壌および植生に与える影響について明らかにする目的で,木質チップの敷設による土壌環境変化,水溶性物質の動態,抑草効果などについて基礎的な試験を行った。その結果,スギナに対する抑草効果は小さいが他の植物に対しては顕著であること,木質チップの分解により土壌中の有機物量が増加すること,水溶性無機イオンではカリウムイオンの溶出が大きいことが明らかとなった。また,チップ内の温度は気温の変動よりも大きくなるのに対し,深さ10cm程度の地中では2~3°C小さくなること,土壌水分の計測から地中5cm深の土壌では乾燥過程において水分の減少速度が遅い傾向を示した。
キーワード:
木質系廃棄物,木質チップ,循環利用,土壌,植生