[pp.421-426]
樋口広大,倉本 宣 (明治大学)
要旨:
本研究では,水田と用水路における絶滅危惧種メダカの生息について,メダカの個体サイズ別分布と各種環境要因を調査した。その結果,水田ではクロロフィルaと葉面積指数の値が高い場所に小型のメダカが多く分布していた。一方,用水路では流速が緩やかで抽水植物が生育している場所に小型および中大型のメダカが共に多く分布していた。このことから,水田は採餌場所や鳥類からの避難場所といった成育場所としての機能を持つと考えられる。また,用水路は越冬場所としての機能を持つと推察される。これらのことから,メダカの持続可能な個体群を保全するためには,用水路および水田の両方の環境を保全することが重要であることが考えられる。
キーワード:
メダカ,水田環境,水田,用水路,生息環境,保全