[pp.389-392]
西宮明文,清田 信 (関西電力(株),大阪府立大学)
要旨:
大阪市住之江区の関西電力(株)南港発電所の人工緑地内で,植栽樹種,植栽年度が異なる試験区を選定し,土壌呼吸量の季節変化を測定した。土壌呼吸量は,常緑樹林0.93~6.67μmol CO2 m-2 s-1で平均3.41μmol CO2 m-2 s-1,常緑・落葉樹混交林1.65~7.91で平均4.09μmol CO2 m-2 s-1であり,両試験区とも地温と同様に明確な季節変化を示した。土壌呼吸量と深さ5cmの地温と有意な相関関係がみられ,温度依存性が高い事が示された。土壌呼吸量と降水量との間には明確な関係はなく,本試験区は地温の変化が土壌呼吸量変化の主な支配要因となっていた。本試験区においては,植栽樹種(常緑樹林と常緑・落葉樹混交林),林齢(12年生と15年生)の違いにより,土壌呼吸量の季節変化に差異があることが示された。
キーワード:
土壌呼吸,人工緑地,二酸化炭素,常緑樹林,常緑・落葉樹混交林,人工林