[pp.377-382]
河本 薫,下田吉之,水野 稔 (大阪大学)
要旨:
本研究では,パソコンのエネルギー消費効率の定義について,エネルギー消費実態調査結果をもとに検討した。その結果,電力消費量の95%以上は計算量と無関係であり,エネルギー消費効率の定義としては省エネルギー法における定義(平均消費電力÷理論性能)よりも年間電力消費量の方が妥当であること,年間電力消費量は動作モード別の消費電力と平均的な使用パターンで定義するべきこと,アイドル時消費電力はエネルギー消費効率の簡易的な定義となり得ることが分かった。一方,パソコンの性能は一義的に定義できず,電力消費量との相関は殆ど無いため,性能の異なる機種間の公平性を確保したエネルギー消費効率基準値の設定は困難と分かった。
キーワード:
パソコン,省エネルギー法,トップランナー基準,エネルギー消費効率,定義