[pp.367-372]
中口毅博 (芝浦工業大学)
要旨:
本研究は,民生部門家庭における市町村別エネルギー消費量の推計方法を検討し,CO2排出量を算定しその特徴を明らかにしたものである。燃料別のエネルギー消費量の推計は,各市町村の世帯人員別世帯数に世帯人員別消費原単位を乗じてから建て方別補正係数を乗じ,さらに燃料ごとのコントロールトータルで補正する方法で行った。その結果,全国の傾向としては電気,LPG,灯油は人口規模が小さくなるほど使用比率が大きくなるのに対し,都市ガスは人口規模が大きくなるほど使用比率が大きくなることが確認された。さらに全国の市町村別CO2排出量を推計した結果,人口100万以上の都市が全国に占める排出量割合が総計で約2割を占める一方,人口10万以下の中小都市が約4割を占めている。このことから今後中小都市においてもCO2排出特性に応じて温暖化対策を積極的に実施することが重要であるといえる。
キーワード:
温暖化防止対策,エネルギー消費,CO2排出量,民生部門家庭