[pp.337-342]
古川玲子,浅野耕太 (京都大学)
要旨:
奈良県明日香村で行われている棚田オーナー制度の問題点を明らかにし,今後の継続のための対策を検討するための調査を行った。その結果,農業指導を行うインストラクターの高齢化による制度の継続可能性が問題であり,今後の継続のためには若い世代の参加とオーナーの上達が必要であると感じていることがわかった。インストラクターは,集落の若い世代が参加するなら農作業が不得手でも日当を支払ってよいと考えている。オーナーの上達に関しては,両者の間で認識に大きな隔たりがあり,両者間の意思疎通が不十分であることがわかった。今後はさらなるコミュニケーションにより両者間の意向が反映した制度に進展させていくことが必要である。
キーワード:
棚田オーナー制度,地域景観保全,都市農村交流