[pp.271-276]
坂本辰徳,谷川寛樹,橋本征二,森口祐一 (和歌山大学,(独)国立環境研究所)
要旨:
都市レベルでの建設セクターのマテリアルフロー分析(MFA)を行うためには,基礎的なデータとして都市構造物の資材投入原単位や耐久・更新年数が必要となる。本研究では設計図面やヒアリング調査,GISデータを用いた詳細なMFAを行うため,資材投入原単位の整備を目的とした。推計対象とする都市構造物は,居住施設,交通施設,生活環境施設,国土保全施設を取りあげた。また,建築物を対象に,GISデータにもとづき,1995年から2000年の滅失建築物の属性を分析し,実際の耐久年数と既存研究の推計結果を比較する。本研究で推計した資材投入原単位を使い,実際の耐久年数を推計した。都市(北九州市)へMFAの適用を行い,建設セクターのマテリアルストックは,85トン/人となることが明らかになった。
キーワード:
地域マテリアルフロー分析,GIS(地理情報システム),資材投入原単位,耐久年数