[pp.183-188]
山本佳世子 (名古屋産業大学)
要旨:
本研究は琵琶湖集水域を対象とし,交通施設近接性を考慮して,GISにより土地利用規制と実態との間の乖離を解析することにより,都市計画区域と農業振興地域との重複状況に着目した土地利用規制の評価を行うことを目的とした。本研究の結論は,以下の2点に要約できる。1)農振地域との重複のある都市計画区域では,農振白地地域で規制と実態との間の乖離が最も著しく,特に南東部では農用地区域との重複地域でさえ土地利用規制の効果が小さかった。2)農振地域との重複のない都市計画区域のうち,市街化調整区域では新市街地の拡大,都市計画白地地域では新旧市街地が混在することにより,規制と実態との間の乖離が深刻化していた。
キーワード:
土地利用規制,土地利用基本計画,交通施設近接性,市街化,GIS,琵琶湖集水域