[pp.143-148]
王 秀峰,辻 秀之 (北海道大学)
要旨:
地上観測データ及び衛星データを用いて,地表面温度(Ts)と植生指数(NDVI)の関係を調べた。地上観測データ(ダイズ畑)から両者の回帰係数は負値で,生育前期には絶対値が大きく,後期には小さいことが判明した。また,絶対値は前期には徐々に増加し,それが後期にはゼロ近くまで減少した。さらに,回帰係数の絶対値は土壌水分の増加とともに減少する傾向が見られた。衛星データの解析結果でも,同じような結果が得られた。これらの結果から次のことが推論できた。同じNDVIを示す植生量についても,1)生育が旺盛の時は両者の回帰係数は負で絶対値が大きく,生育が衰退してくると絶対値は小さくなる。2)また,土壌水分が多い時は,両者の回帰係数は負で絶対値が小さく,土壌水分が少ない時は絶対値が大きい。
キーワード:
衛星データ,回帰係数,植生指数,地表面温度,土壌水分