[pp.107-112]
佐竹俊之,上甫木昭春 (大阪府立大学)
要旨:
本研究では,子どもの遊び場としての今後の水辺空間のあり方を得るために,奈良県生駒郡平群町を調査対象地とし,10代から70代までの人たちにヒアリング調査を実施し,水辺遊びの変容とそれに係わる空間的・社会的変容要因を考察した。その結果,水辺遊びの変容は遊びの質の段階性,食とのつながり,遊びの場所の拡がり,遊びの種類,遊び仲間から整理でき,その主な要因は空間的要因としてはプールの開設,水質の変化が,社会的要因としては戦争,食生活の変化,水辺に対する社会的規範の変化が挙げられた。今後の水辺空間のあり方を考察すると空間構造の改善だけでなく水辺遊びそのものに対する社会的意識変革が必要であることが分かった。
キーワード:
子ども,遊び,水辺,世代別,ヒアリング調査