[pp.101-106]
栗原圭充,藤田 壮 (東洋大学)
要旨:
商業化が進んだ大都市圏では防災公園のネットワーク化を形成することが困難な場合が多い。都市域での高密な土地利用が郊外まで展開される状況では,生活空間としての快適性を高めるとともに地震災害時の避難機能を高めるために,河川緑地や公園緑地などの空間資源を活用して,地域の特性を考慮した都市のネットワーク基盤を形成することが求められる。本研究では第一に,川越市における空間情報と人口分布情報を地理情報システム(GIS)で統合化した上で,河川・公園緑地の規模,分布を用いて定量的に解析し,地域の持つネットワーク基盤の整備課題を抽出した。第二に,緑地資源と災害時に指定されている避難地の分布特性に注目し,近接関係を考慮した避難地キャパシティの増減を指標としたネットワーク機能の評価をおこなった。最後に,緑地ネットワークの特性を活かした効率的なネットワーク特性の改善の方策についての提案を示している。
キーワード:
川越市,近接性 ネットワーク,GIS,持続可能な開発,公園緑地