[pp.73-76]
松本安生,森下英治,原科幸彦 (神奈川大学,愛知学院大学,東京工業大学)
要旨:
本研究の目的は住民参加型のワークショップにおいて地理情報の提供が,地域の課題に対する参加者の態度変容にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることである。このため2002年に鹿児島県屋久島で企画した「環境ワークショップ」において,地理情報を含めた情報提供を行い,参加者へのアンケート調査から態度変容に与える影響について把握を行った。この結果,地理情報の提供に対する満足度とデータによる発見や気付きとの間には関連がみられ,この発見や気付きは自分の意見や考えが変化することにも関連があることが確認された。特に,環境保全のために税を上げるという意見に対しては賛成方向への意見変化が見られたが,これは情報提供による発見や気付きと関連が見られた。
キーワード:
地理情報,情報提供,態度変容,ワークショップ,アンケート調査