[pp.61-66]
中島正裕,千賀裕太郎,日高正人 (東京農工大学)
要旨:
本研究では広島県大朝町の「菜の花ECOプロジェクト」を対象として,資源循環型地域システムにおける協働の実態と,その形成過程でNPOと役場が果たした役割を明らかにした。その結果,同システムはNPOを中心として農家,住民,小中学校,搾油業者,役場など延べ35主体の協働により成り立っていた。各参加主体のインセンティブをみると,大半が無償ボランティアでの参加であった。その要因は祭りや伝統芸能を継承してきた“地域コミュニティ力”と,NPOが住民に対してシステムの形成過程から゛広報誌の発行゛,゛説明会の実施゛,゛環境教育゛など多様な形態で啓発活動を行ってきたことに起因する。役場はNPOに対し金銭,事務手続きなどでの後方支援を行っていた。
キーワード:
バイオマス,循環型社会,協働,農村地域活性化