[pp.49-54]
中島敏博,古谷勝則 (千葉大学)
要旨:
本研究は都市部で里山活動が活発であることに着目した。緑地の減少と里山活動団体の成立には関係があると考え,両者の関係を明らかにすることを目的とした。まず,参加者の緑地までの移動時間などから活動が持つ誘致圏が0~20kmであることを明らかにした。次に,地域における土地利用の変遷についてGISを用いた調査から総緑地面積の増減よりも,個別の緑地規模の増減の方が里山活動団体の結成との関係性が高いことが分かった。個別の緑地規模の減少では1974年から1994年の間で最も減少率が高い時期以降に里山活動団体が結成されていることが明らかになった。以上のことから,北総地域において里山活動団体が結成される要因として,個別の緑地規模の増減率が一因である可能性を明らかにした。
キーワード:
緑地,市民活動,GIS,里山