[pp.25-30]
田原直樹,吉田有里,上甫木昭春 (兵庫県立大学,東京都港区役所,大阪府立大学)
要旨:
本研究は,保護樹木制度にもとづいて指定された樹木に着目して,都市住民の樹木に対する認識特性を把握し,今後の都市における単独樹木の保全のあり方を探ることを目的としている。阪神地域における2地区で実施したアンケートおよび現地調査の結果,樹木の物的特性では,樹高のような樹木の性状だけでなく,入りやすさや見えやすさという立地条件が樹木の認知に影響を及ぼすこと,居住者の特性では,年齢や地域の自然や歴史に対する教育の有無が樹木への認識に及ぼす影響が大きいこと,保護樹木はそれ以外の樹木と比べて,地域とのつながりを強く意識させ,樹木に対する関わりの点で特徴的な存在であることがわかった。
キーワード:
単独樹木,保護樹木制度,樹木への認識,都市域