[pp.375-380]
千頭 聡,上杉 圭子 (日本福祉大学)
要旨:
本研究は,ラオス北部焼畑地域を対象として,焼畑安定化による森林と土地の適切な管理,生活の安定化を目的として近年ラオス政府が進めている土地利用政策を,環境資源管理の視点から政策評価するとともに,ルアンパバン県カン川流域における数年間のヒヤリング調査結果に基づいて,土地利用政策の実態評価を行った。その結果,1)森林や土地の慣習的な利用形態に3つのタイプがある,2)土地・森林分配政策が焼畑農民の営農意欲向上に効果を出し始めている,3)焼畑農民は生活の森に対する依存度を強く認識している,4)人口増加,集落移動,換金作物への転換などに対して土地利用と土壌の管理が重要である,などが明らかとなった。
キーワード:
ラオス,焼畑,土地利用,換金作物,生活環境評価,森林