[pp.369-374]
加藤 大昌,澤木 昌典 (大阪大学)
要旨:
ベトナムにおいて,ドイ・モイ政策の採択という社会システムの変化が自然環境(とりわけ水環境)に多大な影響を与えた。ハノイ市においてもそれは例外ではなく,非計画な水面の埋立てを繰り返した結果,現在,都市部(とりわけ中心市街地)において溢水の発生や既存の河川や湖沼の水質悪化が引き起こされている。また,中心市街地およびその周辺に小規模湖沼が増加している。本研究では,ハノイ市における湖沼の類型化を行い,それぞれの類型のハード面での特徴や周辺住民の利用や評価といったソフト面での特徴を整理・分析した。そこから得られた知見をもとに,ハノイ市の都市部において大小さまざまな湖沼と共生するための今後の課題についての提言を行った。
キーワード:
ハノイ市,湖沼の埋め立て,水面の利用,ドイ・モイ政策,中心市街地