[pp.317-322]
山西 亜希,加藤 和弘,恒川 篤史,樋口 広芳 (東京大学)
要旨:
三宅島2000年噴火は,同島の動植物やその生育環境に大きな影響を及ぼした。本研究では,噴火後の鳥類の分布状況を推定するため,三宅島において鳥類の出現種数と個体数を調査するとともに,衛星画像解析によって島の植生被害状況を把握した。森林のタイプと植被率,標高,傾斜の四つの環境要因から変数選択法により鳥類の出現種数と固体密度をそれぞれ推定する重回帰モデルを作成すると,変数として採用された環境要因は両モデルとも森林タイプと植被率の二つであった。鳥類の出現種数,個体密度は森林の植被率ととくに相関が高く,植被率の増加にともない,いずれも増加するという結果が得られた。得られたモデルをもとに,三宅島の鳥類分布推定図を作成することができた。
キーワード:
個体密度,種数,三宅島,植被率,噴火